人工授精にかかる費用|保険適用の条件や自費との違い、助成金の有無を解説

人工授精にかかる費用|保険適用の条件や自費との違い、助成金の有無を解説

人工授精(AIH)は2022年4月から保険適用の対象となり、以前よりも大幅に少ない自己負担で受けられるようになりました。とはいえ「実際1回いくらかかるのか」「保険は何回まで使えるのか」は、治療を検討するうえで最初に知りたいところではないでしょうか。

この記事では、人工授精にかかる費用を保険適用の自己負担額ベースで具体的に解説し、保険適用の条件、自費診療との違い、1周期の支払いイメージ、利用できる支援制度までまとめて紹介します。

この記事の監修者
恵愛生殖医療医院 院長 林 博
恵愛生殖医療医院 院長林 博

1997年、東京慈恵会医科大学卒業。同大学病院にて生殖医学に関する臨床および研究に携わる。

2011年4月恵愛病院生殖医療センター開設。生殖医療専門医・臨床遺伝専門医の資格等数多くの資格を資格を保有。

自ら体外受精・顕微授精や不育治療を経験しており、患者さま目線の治療を心がけている。

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Index目次

人工授精の費用はいくら?【結論】

人工授精の処置費用は、保険適用(3割負担)で1回あたり5,460円です。これに診察・超音波検査・薬剤などの費用が加わり、1周期あたりの総額は約1〜2万円が目安となります(排卵誘発剤の使用有無などにより変動します)。

人工授精の処置には国の診療報酬点数(1,820点)が定められており、どの医療機関で受けても処置自体の費用は同じです。差が出るのは、排卵誘発の方法や検査の内容といった周辺部分です。

1周期にかかる費用の内訳

1周期あたりの費用内訳(3割負担) 人工授精の処置 5,460円 全国共通(1,820点) 診察・超音波・薬剤 数千円〜 排卵誘発の有無等で変動 医学管理料 750円 3ヶ月に1回 総額目安 約1〜2万円
処置費用は全国共通。総額は排卵誘発の方法や検査内容によって変わります。

出典:こども家庭庁「不妊治療に関する取組」・令和4年度診療報酬改定(人工授精 1,820点・一般不妊治療管理料 250点)をもとに当院作成

保険適用の条件|年齢・回数の制限はある?

人工授精の保険適用に、年齢・回数の制限はありません。体外受精(胚移植は40歳未満で通算6回まで、40歳以上43歳未満で通算3回までなどの制限あり)とは異なり、人工授精は回数を重ねても保険で受け続けられます。

保険適用となる条件はシンプルで、婚姻関係にあるご夫婦(事実婚を含む)が、治療内容について説明を受け、同意書を提出することです。当院では同意書をご提出いただけない場合、自費診療となることがあります。また一般的な生殖可能年齢(50歳)を超えている方は、原則保険適用外です。

保険適用までの流れ

保険適用になるまで 01 ご夫婦で治療の説明を受ける ※事実婚のご夫婦も対象 02 同意書を提出 治療計画に同意 03 保険適用 3割負担で治療 人工授精は年齢・回数の制限なし ※50歳超は原則自費/体外受精には上限あり
条件を満たせば、回数を気にせず保険で人工授精を受けられます。

出典:こども家庭庁「不妊治療に関する取組」・当院の保険診療のご案内をもとに作成

自費診療になるのはどんなとき?【保険との比較】

次のようなケースでは、人工授精が自費診療となります。

  • 同意書を提出いただけない場合
  • 一般的な生殖可能年齢(50歳)を超えている場合
  • 保険適用外の検査や処置を組み合わせる場合(保険と自費の混在=混合診療は原則できないため)
保険適用自費診療
処置費用(1回)5,460円(3割負担)医療機関ごとに異なる(一般に1回あたり1〜3万円程度)
年齢・回数制限なし(50歳超は原則対象外)制限なし
条件婚姻関係(事実婚含む)・同意書の提出

2022年3月以前は人工授精は全額自費で1回1〜3万円程度かかっていましたが、現在は保険適用により自己負担が大きく下がっています。特別な事情がない限り、保険での治療が基本です。

1周期の支払いイメージ|いつ・いくら払う?

人工授精の1周期では、通院のたびに少しずつ支払いが発生します。まとまった金額を一度に払うわけではないので、実際の負担感は「1回数千円の通院が数回」というイメージです。

1周期の通院と支払いの目安 01 排卵日のチェック 診察・超音波 数千円 02 人工授精の実施 処置・薬剤 5,460円+α 03 妊娠判定 診察 数千円 合計 約1〜2万円/周期 別途、医学管理料750円が3ヶ月に1回
排卵の状況により通院回数が増える場合があります。

出典:こども家庭庁「不妊治療に関する取組」・令和4年度診療報酬改定をもとに当院作成(金額は3割負担の目安)

通院スケジュールや当日の流れについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
人工授精のスケジュールと当日の流れ

費用の負担をさらに抑える制度

保険適用に加えて、次の制度を利用できる場合があります。

  • 高額療養費制度:1ヶ月の医療費の自己負担が上限額を超えた場合に払い戻される制度。人工授精単独で上限に達することは少ないですが、検査や他の治療と重なる月には対象になることがあります
  • 医療費控除:年間の医療費が10万円を超えた場合、確定申告で所得控除を受けられます。人工授精の費用や通院の交通費も対象です
  • 自治体の助成制度:お住まいの自治体によっては、先進医療や保険適用治療の自己負担分への独自助成があります

埼玉県・東京都の各自治体の助成制度については、エリア別に詳しくまとめています。
志木市・ふじみ野市・富士見市の不妊治療助成金
練馬区・板橋区の不妊治療助成金

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検査結果やご希望に応じて、治療計画とあわせて費用の見通しもご説明しています。

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人工授精とは(かんたんに)

人工授精は、採取した精液から運動性の良い精子を選び、排卵に合わせて子宮内へ直接注入する治療法です。タイミング法の次のステップとして選ばれることが多く、受精・着床は自然妊娠と同じプロセスで進みます。

治療の内容や妊娠する確率について詳しくは、こちらの記事をご覧ください。
人工授精で妊娠する確率は?成功率を上げるためにできること

人工授精の費用に関するよくあるご質問

Q. 人工授精1回の費用は保険適用でいくらですか?

A. 処置費用は3割負担で5,460円です。診察・超音波検査・薬剤の費用が加わり、1周期の総額は約1〜2万円が目安です。

Q. 保険適用に回数の制限はありますか?

A. ありません。体外受精(胚移植の回数に年齢別の上限あり)と異なり、人工授精は回数を重ねても保険で受けられます。ただし医学的には5〜6回で妊娠に至らない場合、体外受精へのステップアップを検討するのが一般的です。

Q. 事実婚でも保険は適用されますか?

A. 適用されます。法律婚に限らず、事実婚のご夫婦も治療の説明を受けて同意書を提出することで保険適用の対象となります。

Q. 人工授精の費用は医療費控除の対象になりますか?

A. 対象になります。保険適用・自費を問わず人工授精の治療費は医療費控除の対象で、通院にかかった交通費も含められます。年間の医療費が10万円を超える場合は確定申告をご検討ください。

Q. 排卵誘発剤を使うと費用はどのくらい変わりますか?

A. 内服薬か注射か、使用する量によって変わりますが、いずれも保険適用の範囲内であれば1周期あたり数千円程度の上乗せが目安です。卵巣の状態に合わせて必要最小限の方法をご提案します。

まとめ

人工授精の費用は、保険適用により処置5,460円・1周期あたり約1〜2万円と、以前と比べて大きく負担が下がりました。年齢・回数の制限なく保険で受けられることも、体外受精にはない特徴です。

当院は埼玉県和光市の不妊治療専門医院として、治療計画とあわせて費用の見通しも丁寧にご説明しています。この記事が、治療を検討する際の安心材料になれば幸いです。

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