体外受精の成功確率は?妊娠率や生産率を年齢別・治療法別に紹介

体外受精を検討するとき、いちばん気になるのは「実際どのくらいの確率で妊娠できるのか」ではないでしょうか。年齢によってどう変わるのか、何回くらいで妊娠できるのかは、治療に踏み出す前に知っておきたいところです。
この記事では、体外受精の成功確率を全国データと当院の実績データの両方から解説し、年齢別の妊娠率、確率を高めるためにできること、よくあるご不安への回答までまとめて紹介します。
体外受精の成功確率は?【結論】
体外受精の成功確率(1回の移植で妊娠に至る確率)は、全国平均で40.5%です(凍結融解胚移植あたりの臨床妊娠率・日本産科婦人科学会2023年データ)。おおよそ「2〜3回の移植のうち1回は妊娠に至る」水準で、人工授精(1周期あたり約5〜10%)と比べて大きく高い確率です。
当院の2025年の実績では、凍結融解胚移植あたりの臨床妊娠率は約52.6%と、全国平均を約12ポイント上回る水準を維持しています。
出典:日本産科婦人科学会 2023年データ・当院の不妊治療実績をもとに作成
ただし、成功確率は年齢によって大きく変わります。次に、当院の年齢別の実績データを見ていきましょう。
恵愛生殖医療医院の体外受精実績【年齢別】
当院ではこれまでに7,194名の方が体外受精でご懐妊されています(2026年6月30日現在)。2025年の年齢別の臨床妊娠率(1移植あたり)は以下の通りです。
出典:当院の不妊治療実績をもとに作成
また、移植を複数回行った場合に「最終的に妊娠に至った方の割合」を示す累積妊娠率(2024〜2025年)では、20〜34歳で82.2%(20代では85.4%)、35〜39歳で74.6%、40歳以上で44.1%という結果が得られています。1回の移植で妊娠に至らなくても、続けることで多くの方が妊娠に到達しています。
※治療結果には個人差があり、妊娠を保証するものではありません。数値の詳細な条件は不妊治療実績ページをご覧ください。
監修医師より
成功率の数値は集計条件によって見え方が変わるため、「どの条件での数値か」をあわせて確認することが大切です。当院では検査結果と年齢を踏まえて、お一人おひとりに合った移植計画をご提案しています。
妊娠率・生産率・受精率の違い|数字を見るときの注意点
体外受精の「成功率」として紹介される数字には、いくつかの異なる指標があります。意味を知らずに比べると誤解のもとになるため、まず違いを押さえておきましょう。
- 妊娠率(臨床妊娠率):移植のうち、妊娠(胎嚢の確認)に至った割合。「1移植あたり」「1採卵あたり」など分母によって数値が変わります
- 生産率:治療のうち、出産に至った割合。流産などがあるため、妊娠率よりも低い数値になります
- 受精率:採卵した卵子のうち、精子と受精して受精卵になった割合。妊娠率とは別の、治療の途中経過を示す指標です
また、成功確率の算出方法は医療機関によって異なります。分母(移植あたり/採卵あたり/患者あたり)や対象期間、対象年齢の取り方で数値は大きく変わるため、クリニック間の数値を単純比較するのではなく、同じ条件でそろえた公的データ(日本産科婦人科学会など)を基準に見るのがおすすめです。
全国データで見る年齢別の成功率
日本産科婦人科学会の集計では、全国の凍結融解胚移植あたりの臨床妊娠率は40.5%(2023年)です。ただしこれは全年齢の平均値で、年齢が上がるにつれて妊娠率は低下し、40歳を超えると30%台前半まで下がると報告されています。
背景には、加齢に伴う卵子の染色体正常率の低下があります。35歳以降はこの影響が徐々に大きくなるため、体外受精を検討している場合は、年齢を重ねる前に一歩を踏み出すことが確率の面では有利に働きます。
体外受精の成功率を高めるためにできること
1. 治療の計画を早めに立てる
成功率に最も大きく影響する要素は年齢です。タイミング法や人工授精を続けるか、体外受精へ進むかの判断を先送りにするほど、卵子の質の面では不利になります。検査データをもとに「いつまでに何をするか」の計画を早めに立てることが、結果として近道になります。
2. ご自身に合った治療方法を選ぶ
体外受精と一口にいっても、排卵誘発の方法(刺激の強さ)、受精の方法(ふりかけ法・顕微授精)、移植の方法(新鮮胚・凍結融解胚)など選択肢は多岐にわたります。卵巣の状態や精子の所見に合わせて最適な組み合わせを選ぶことが、妊娠率を左右します。
3. 生活習慣を整える(ご夫婦とも)
禁煙・節酒・睡眠の確保・適正体重の維持は、卵子や精子の質に関わる基本要素です。特に喫煙は男女ともに妊娠率を下げることが報告されています。精子は約3ヶ月かけて作られるため、男性側も早めの準備が有効です。
4. 実績と相性で医療機関を選ぶ
算出条件をそろえた実績データを公開しているか、治療の選択肢が幅広いか、通いやすいかは、長く続く可能性のある治療において重要な観点です。数値だけでなく、疑問に丁寧に答えてくれるかどうかも含めて選ぶことをおすすめします。
体外受精の成功確率に関するよくあるご質問
Q. 体外受精は1回で妊娠できますか?
A. 1回の移植で妊娠に至る確率は全国平均で40.5%(凍結融解胚移植あたり・2023年)、当院では約52.6%(2025年)です。1回で妊娠される方も多くいますが、複数回の移植を前提に計画を立てるのが一般的です。当院の累積妊娠率では、20〜34歳の82.2%の方が最終的に妊娠に至っています。
Q. 人工授精と体外受精では、妊娠率はどのくらい違いますか?
A. 人工授精の妊娠率が1周期あたり約5〜10%であるのに対し、体外受精は1回の移植あたり40%前後(全国平均)と大きく異なります。人工授精の確率や回数の目安について詳しくは、こちらの記事をご覧ください。
→ 人工授精で妊娠する確率は?成功率を上げるためにできること
Q. 体外受精は何回まで受けられますか?
A. 医学的な回数の上限はありませんが、保険適用には制限があり、胚移植は治療開始時の年齢が40歳未満で通算6回まで、40歳以上43歳未満で通算3回までです。保険適用の条件について詳しくはこちらの記事をご覧ください。
→ 体外受精の保険適用について
Q. 何回移植しても妊娠しない場合はどうなりますか?
A. 良好な胚を複数回移植しても妊娠に至らない場合は「反復着床不全」の可能性を考え、着床の妨げになる要因の検査・治療を検討します。詳しくはこちらの記事で解説しています。
→ 着床不全とは?検査や治療について
Q. 成功率の高いクリニックを選べば妊娠できますか?
A. 実績は重要な判断材料ですが、成功率の算出条件は医療機関ごとに異なるため、数値の単純比較には注意が必要です。ご自身の年齢・不妊原因に合った治療の選択肢があるか、納得して治療を続けられるかをあわせて確認することをおすすめします。
まとめ
体外受精の成功確率は、1回の移植あたり全国平均40.5%、当院では約52.6%(2025年・凍結融解胚移植あたりの臨床妊娠率)です。年齢によって確率は変わりますが、複数回の移植まで含めた累積では多くの方が妊娠に至っており、早めに計画を立てて取り組むことが何より確率を高めます。
当院は埼玉県和光市の不妊治療専門医院として、公開している実績データと検査結果に基づき、一人ひとりに合った治療計画をご提案しています。この記事が、治療を検討する際の判断材料になれば幸いです。
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