不妊検査とは?男性側・女性側の検査内容や費用、タイミングについて解説

不妊検査とは?男性側・女性側の検査内容や費用、タイミングについて解説

妊活を続けているものの、なかなか妊娠に至らず、「そろそろ不妊検査を受けたほうがいいのでは」と感じていませんか。

一方で、「どんな検査をするのかわからない」「痛みや費用が心配」「いきなり治療が始まるのでは」と、不安から一歩踏み出せずにいる方も多いのではないでしょうか。

この記事では、不妊検査の基本的な考え方をはじめ、女性側・男性側それぞれの検査内容、受けるべきタイミング、費用の目安までをわかりやすく解説します。

「まずは検査について知りたい」「自分たちに必要かどうか判断したい」という方は、ぜひ参考にしてみてください。

この記事の監修者
恵愛生殖医療医院 院長 林 博
恵愛生殖医療医院 院長林 博

1997年、東京慈恵会医科大学卒業。同大学病院にて生殖医学に関する臨床および研究に携わる。

2011年4月恵愛病院生殖医療センター開設。生殖医療専門医・臨床遺伝専門医の資格等数多くの資格を資格を保有。

自ら体外受精・顕微授精や不育治療を経験しており、患者さま目線の治療を心がけている。

プロフィールを見る
Index目次

不妊検査とは?

不妊検査とは、妊娠しにくい原因がないかを調べるために行う一連の検査のことです。一般的には、妊活を一定期間続けても妊娠に至らない場合に、原因を整理する目的で実施されます。

不妊というと女性側の問題をイメージしがちですが、実際には女性側・男性側の両方に検査が必要とされています。

また、不妊検査は「すぐに不妊治療を始めるためのもの」ではありません。検査の結果、特に大きな問題が見つからず、タイミングの工夫で妊娠を目指せるケースもあります。反対に、早めに原因がわかることで、無駄な時間や負担を減らせる場合もあるでしょう。

不妊検査は、今後の選択肢を判断するための大切な第一歩といえます。不安がある場合は、検査内容や進め方について、事前に医師へ相談しておくと安心です。

不妊検査を受けるべきタイミング

不妊検査を受けるタイミングの目安は、年齢や状況によって以下のように異なります。

年齢不妊検査を検討する目安
35歳未満避妊せずに1年以上妊活を続けても妊娠しない場合
生理不順・排卵の乱れがある場合
妊活に強い不安を感じている場合
35歳以上避妊せずに6ヵ月〜1年妊活しても妊娠しない場合
過去に婦人科系の病気・手術歴がある場合
男性側に持病や治療歴がある場合

不妊検査は「妊娠できないと判断される検査」ではなく、今の状態を知るための確認と捉えることが大切です。

妊活に不安を感じ始めたタイミングで、一度医療機関に相談してみることで、今後の進め方が見えやすくなるでしょう。

【女性側】不妊検査の内容

女性側の不妊検査では、妊娠に必要な体の働きがきちんと機能しているかを、段階的に確認していきます。具体的には、以下のような検査が行われるのが一般的です。

  • 内診
  • 基礎体温測定
  • 経腟超音波検査
  • 血液検査
  • 子宮卵管造影検査
  • フーナーテスト
  • その他の検査

ここからは、それぞれの検査内容について、詳しく見ていきましょう。

内診

内診は、女性側の不妊検査の中でも早い段階で行われる基本的な検査のひとつです。医師が直接診察することで、子宮や卵巣の大きさ・位置、圧痛の有無などを確認し、明らかな異常がないかを把握します。

内診というと不安を感じる方も多いかもしれませんが、診察自体は短時間で終わることがほとんどです。また、内診単独で行うというより、経腟超音波検査などとあわせて実施されるケースが一般的です。

この検査によって、子宮筋腫や卵巣の腫れ、炎症が疑われる所見が見つかることもあります。内診の結果をもとに、追加で検査が必要かどうかを判断するため、不妊検査の出発点となる重要な診察といえるでしょう。

基礎体温測定

基礎体温測定は、排卵がきちんと起こっているかを把握するために行う基本的な確認方法です。

毎朝、起床後すぐに安静な状態で体温を測り、その変化を記録します。基礎体温は、排卵前の低温期と排卵後の高温期に分かれるのが一般的で、この二相性が見られるかどうかが重要なポイントです。

不妊検査では、基礎体温の記録をもとに排卵の有無や時期、ホルモンバランスの乱れが疑われないかを確認します。高温期が短い、体温の変動が大きいといった場合には、追加でホルモン検査を行うこともあります。

経腟超音波検査

経腟超音波検査は、超音波(エコー)を使って子宮や卵巣の状態を詳しく確認する検査です。

腟から細いプローブを挿入し、子宮内膜の厚さや卵胞の発育状況、卵巣の形態などをリアルタイムで観察します。放射線を使用しないため、体への負担が比較的少ない点も特徴です。

不妊検査では、排卵が近づいているかどうか、卵胞が順調に育っているかを確認する目的で、月経周期に合わせて複数回行われることがあります。また、子宮筋腫や子宮内膜症、卵巣嚢腫など、妊娠に影響を及ぼす可能性のある異常が見つかるケースもあります。

なお、検査は数分程度で終了し、痛みはほとんどありません。

血液検査

血液検査は、不妊検査においてホルモンバランスや感染症の有無を確認するために行われる検査です。

女性の体は、複数のホルモンが連携して排卵や着床をコントロールしているため、その分泌状態を把握することは非常に重要です。月経周期の特定の時期に採血を行い、排卵が正常に起こっているか、黄体機能に問題がないかなどを調べます。基礎体温や超音波検査の結果とあわせて評価されるのが一般的です。

また、クラミジア抗体検査も血液検査で行われることがあります。過去の感染が原因で卵管に影響が出ている可能性を確認する目的で実施され、必要に応じて追加検査につながるケースもあります。

子宮卵管造影検査

子宮卵管造影検査は、子宮の形状や卵管が通っているかどうかを確認する検査です。

造影剤を子宮内に注入し、X線撮影によって子宮腔や卵管の通過状態を調べます。卵管は精子と卵子が出会う重要な通り道であるため、閉塞や狭窄がないかを確認することは、不妊原因の特定に役立つのです。

また、造影剤を卵管内に通過させることで卵管の通過性が改善し妊娠しやすくなるという報告も多く、子宮卵管造影検査自体に治療的な意味合いもあります。

なお、造影剤注入時に下腹部の痛みや違和感を感じる方もいるため、検査に不安がある場合は事前に医師へ相談しておくと安心です。検査の実施時期や必要性は個人差があるため、他の検査結果を踏まえて判断されます。

フーナーテスト

フーナーテスト(性交後試験)は、性交後の子宮頸管粘液中に精子がどの程度存在し、正常に動いているかを確認する検査です。

排卵期に性交を行ったあと、一定時間内に受診し、子宮頸管の粘液を採取して顕微鏡で精子の状態を観察します。

この検査では、精子の数や運動性だけでなく、精子が子宮内へ進入しやすい環境が整っているかを確認できます。たとえば、精子は問題なくても、頸管粘液の性質によって通過しにくくなっているケースが見つかることもあります。

ただし、フーナーテストの結果は体調やタイミングによって左右されやすく、1回の検査だけで判断しないことが一般的です。結果の解釈や必要性については意見が分かれる検査でもあるため、ほかの検査結果とあわせて、検査自体を施行するかどうかも含めて 医師が総合的に判断します。

その他の検査

基本的な不妊検査で原因がはっきりしない場合や、特定の病気が疑われる場合には、より詳しい検査が行われることがあります。

そのひとつがMRI検査です。MRIでは、子宮や卵巣の状態を立体的に確認でき、子宮筋腫や子宮内膜症など、超音波検査ではわかりにくい異常を把握できることがあります。

また、必要に応じて腹腔鏡検査や子宮鏡検査が行われることもあります。腹腔鏡検査は、お腹に小さな穴を開けてカメラを挿入し、子宮や卵巣、卵管の状態を直接確認する検査です。

一方、子宮鏡検査では、子宮内にカメラを入れて、ポリープや癒着の有無などを調べます。

【男性側】不妊検査の内容

不妊の原因は女性側だけでなく、男性側にも関係しているケースが少なくありません。そのため、不妊検査では夫婦のどちらか一方だけでなく、男性側も同時に検査を受けることが重要とされています。

「自分は大丈夫だろう」と感じて検査を後回しにしてしまう方もいますが、早めに状態を把握することで、無駄な治療や時間を避けられる可能性もあります。女性側の検査と並行して進めることで、不妊の原因をより正確に把握しやすくなるでしょう。

以下では、男性側の不妊検査として行われる代表的な検査について、内容や目的をわかりやすく解説します。

精液検査

精液検査は、男性側の不妊検査の中で最も基本となる検査です。

採取した精液をもとに、精子の量や濃度、運動率、形態などを調べ、妊娠に必要な条件が整っているかを確認します。検査は自宅または医療機関で行うことが多く、身体的な負担が少ない点が特徴です。

具体的には、精液量が極端に少ない、精子の数が基準より少ない、動きが弱いといった場合、自然妊娠が難しくなる可能性があります。ただし、精子の状態は体調や生活習慣、禁欲期間の影響を受けやすく、1回の検査結果だけで判断しないことが一般的です。

泌尿器科的検査

泌尿器科的検査は、精液検査で異常が見つかった場合や、男性不妊が疑われるときに行われる追加検査です。主に、精巣や精管、前立腺などの状態を確認し、生殖機能に影響する病気がないかを調べます。

検査内容としては、医師による視診・触診に加え、必要に応じて超音波検査や血液検査を行うことがあります。たとえば、精巣の大きさや硬さ、精索静脈瘤の有無などを確認し、精子が作られる環境に問題がないかを評価します。

また、ホルモン検査によって、精子形成に関わる男性ホルモンの分泌状況を調べるケースもあります。

泌尿器科的検査は、すべての方に行われるわけではありませんが、原因をより詳しく把握するために重要な検査です。結果をもとに、生活習慣の改善で対応できる場合もあれば、治療が必要と判断されることもあります。

不妊検査にかかる費用

不妊検査にかかる費用は、検査内容や実施する医療機関、保険適用の有無によって異なります。

以下は、不妊検査の一般的な費用目安です(3割負担の場合)。

検査内容費用目安
内診・超音波検査1,500~3,000円/回
血液検査(ホルモン検査など)2,000~5,000円
精液検査1,000~3,000円
子宮卵管造影検査5,000~10,000円

実際の費用は検査の組み合わせによって変わるため、検査を受ける前に「どこまでが保険適用になるのか」「総額はいくら程度か」を確認しておくと、安心して進めやすくなるでしょう。

まとめ

不妊検査は、妊娠しにくい原因があるかどうかを確認し、今後の選択肢を整理するための大切なステップです。

女性側・男性側それぞれに検査項目があり、体への負担が少ない基本的な検査から段階的に進められるのが一般的です。妊活を1年以上続けても結果が出ない場合や、年齢や体調に不安がある場合は、早めに検査を受けることで状況を把握しやすくなるでしょう。

不妊検査は必ずしも治療を始めるためのものではなく、「今の状態を知ること」が目的です。費用や検査内容に不安がある場合は、事前に医師へ相談し、無理のないペースで進めていきましょう。現状を正しく知ることが、納得のいく妊活・治療につながります。

不妊治療のこと、まずはご相談ください

和光市駅南口から徒歩40秒。土日も診療しています。
「自分はどの治療から始めればいい?」そんな疑問もお気軽にご相談いただけます。