不妊検査は生理中でも受けられる?5日以内の受診が必要な理由や検査でわかることを解説

不妊検査は生理中でも受けられる?5日以内の受診が必要な理由や検査でわかることを解説

「不妊検査を受けようと思ったら、ちょうど生理中と重なってしまった」
「生理中に受診しても、本当に意味があるのだろうか」

このような不安や疑問を感じて、不妊検査をためらっていませんか?

妊娠を希望しているからこそ、検査のタイミングを間違えてしまわないか、無駄足にならないかと心配になるのは自然なことです。

しかし、不妊検査は生理中でも受けられるものが多く、むしろ生理が始まってすぐの時期に行う検査も少なくありません。「生理中=検査できない」という認識は、必ずしも正しいとはいえないのです。

本記事では、不妊検査は生理中でも受けられるのかという基本から、生理中に行われることが多い検査の内容、受診時の注意点までをわかりやすく解説します。

「このまま受診していいのか迷っている」「判断の目安を知りたい」という方は、ぜひ参考にしてください。

この記事の監修者
恵愛生殖医療医院 院長 林 博
恵愛生殖医療医院 院長林 博

1997年、東京慈恵会医科大学卒業。同大学病院にて生殖医学に関する臨床および研究に携わる。

2011年4月恵愛病院生殖医療センター開設。生殖医療専門医・臨床遺伝専門医の資格等数多くの資格を資格を保有。

自ら体外受精・顕微授精や不育治療を経験しており、患者さま目線の治療を心がけている。

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不妊検査は生理中でも受けられる?

結論からお伝えすると、生理中だからといって不妊検査が受けられないわけではありません。

むしろ、不妊検査や不妊治療は生理周期を前提に進められることが一般的で、生理が始まってすぐの時期に行う検査も多くあります。

そのため、予約した受診日が生理と重なったからといって、「検査が無駄になる」「失敗してしまった」と考える必要はありません。

不安がある場合でも、自己判断で受診をやめてしまう前に、まずは医療機関に相談してみましょう。

生理中だからこそ行える不妊検査

不妊検査の中には、生理中、特に生理が始まって間もない時期に行うことで、より正確な情報が得られる検査があります。

これは、月経周期の中でも体の状態が比較的安定しており、ホルモンの基礎値や卵巣・子宮の状態を把握しやすいためです。

「生理中に検査をするのは意味がないのでは」と感じる方もいるかもしれませんが、実際にはこの時期だからこそ確認できるポイントも少なくありません。

ここでは、生理中に行われることが多い代表的な不妊検査について、内容と目的を具体的に見ていきましょう。

ホルモン検査(血液検査)

ホルモン検査は、不妊検査の中でも基本となる検査のひとつで、主に血液を採取して行われます。

生理中に測定されることが多いのが、FSH(卵胞刺激ホルモン)やLH(黄体形成ホルモン)、エストラジオールなどです。

これらのホルモンは、生理2〜5日目頃に測定することで、卵巣機能やホルモンバランスの「基準となる状態」を把握しやすいとされています。

排卵期や黄体期では数値が変動しやすいため、生理初期に測ることで、体本来の分泌状況を評価しやすくなるのです。

この検査によって、排卵がスムーズに起こりそうか、卵巣の働きに大きな問題がないかといった点がわかります。

結果は単独で判断されるのではなく、超音波検査や基礎体温などとあわせて、総合的に評価されるのが一般的です。

経腟超音波検査

経腟超音波検査は、超音波を使って子宮や卵巣の状態を確認する検査です。

腟から細いプローブを挿入し、子宮内膜の状態や卵巣の大きさ、卵胞の有無などを観察します。

通常は生理中には行わない検査ですが、検査時間は短く、体への負担も比較的少ないため、不妊検査の初期段階で取り入れられることが多いです。

生理中は出血があるため不安に感じる方もいますが、出血そのものが大きな問題になることは通常ありません。

この検査では、子宮筋腫や卵巣の腫れなど、妊娠に影響する可能性のある所見があるかどうかを確認可能です。

生理中にできない不妊検査もある?

不妊検査の多くは生理中でも受けられますが、すべての検査が対象になるわけではありません。検査内容によっては、生理中を避けたほうがよいものもあります。

代表的なのが、子宮卵管造影検査です。

この検査では、造影剤を使って卵管の通過性を確認するため、生理中や出血がある時期は原則として実施されません。感染リスクや、正確な評価が難しくなる可能性があるためです。

また、排卵の有無や排卵時期を詳しく確認する検査についても、生理中では判断できないため、排卵期前後に行われます。

とはいえ、「生理中だから何もできない」というわけではありません。

ホルモン検査や超音波検査で得られた情報をもとに、次の周期にどの検査を行うかを計画することも、不妊検査の重要な目的のひとつです。

そのため、生理中に受診した結果「今日はできない検査があった」としても、それは無駄ではありません。

今後の検査や治療をスムーズに進めるための準備段階と考えるとよいでしょう。

生理中に不妊検査を受けるときのポイント

生理中に不妊検査を受ける場合、「本当に受診していいのか」「迷惑に思われないだろうか」といった不安を感じる方もいるかもしれません。

しかし、事前にいくつかのポイントを押さえておくことで、落ち着いて受診しやすくなります。

ここでは、生理中の受診時に知っておきたいポイントを見ていきましょう。

出血量が多い場合は事前に相談する

生理中であっても多くの不妊検査は問題なく行えますが、出血量が普段より多い場合や、体調が優れない場合には、事前に医療機関へ相談しておくと安心です。

電話や予約時の備考欄などで、「生理中で、出血量が多い状態です」と伝えるだけで構いません。

状況に応じて、当日の検査内容を調整したり、受診日を変更したりする提案をしてもらえることもあります。

自己判断で受診を見送ってしまうよりも、医療機関に確認するほうが無駄な不安を抱えずに済むでしょう。

恥ずかしさは気にしなくてOK

生理中の内診や検査に対して、「恥ずかしい」「気まずい」と感じる方は少なくありません。

しかし、不妊治療や婦人科の現場では、生理中の診察や検査は日常的に行われていることです。

医師や看護師にとって特別なことではなく、必要な医療行為として淡々と対応されています。

気まずさから受診を先延ばしにしてしまうと、検査のタイミングを逃してしまう可能性もあります。不妊治療においては、我慢や遠慮をすることよりも、早めに状態を確認することのほうが大切です。

不安や緊張がある場合は、受付や診察時にその気持ちを伝えれば配慮してもらえることもあるので、遠慮なく伝えましょう。

不妊検査の予約日が生理中になったらどうする?

不妊検査の予約日が生理中と重なってしまうと、「このまま受診していいのか」「キャンセルしたほうがいいのでは」と迷ってしまう方も多いのではないでしょうか。

しかし、原則として自己判断で予約をキャンセルする必要はありません。

すでに解説したとおり、不妊検査の中には生理中に行うことを前提とした検査もあります。

そのため、予約日が生理と重なったからといって、検査が無駄になるとは限らないのです。

もし不安がある場合は、受診前にクリニックへ確認してみると安心でしょう。

その際は、難しく考える必要はなく、「生理中なのですが、予定通り受診して大丈夫でしょうか」と伝えるだけで問題ありません。

あわせて、生理が始まってから何日目かを伝えると、医療機関側も判断しやすくなります。

不妊検査は、生理周期に沿って段階的に進めていくものです。迷ったときは一人で判断せず、医療機関と相談しながら進めることで、スムーズに検査を受けやすくなるでしょう。

生理3日目~5日目以内に不妊検査に行けないときは?

不妊検査の中には、生理開始から数日以内に行うことで有効な情報が得られる検査が多いものの、必ずしも生理3〜5日目に受診できなければ意味がないというわけではありません。

このような場合でも大切なのは、受診時に経過日数を正直に伝えることです。不妊検査は、生理周期をもとに判断・評価されるため、正確な情報を共有することが欠かせません。

「数日経っていると検査できないかもしれない」と不安に感じ、実際の生理日数をごまかしてしまうと、検査結果の評価が正しく行えなくなるおそれがあります。

医療機関では、経過日数を踏まえたうえで「今回はできる検査」「次周期に回したほうがよい検査」を判断します。

生理初期を過ぎていても、状況によっては実施可能な検査があるケースもありますし、無理に行わず次の周期に備える判断がされることもあります。

「予定通りに受診できなかったから無駄になる」と考えず、まずは今の状況を伝えたうえで、どのように進めるのが適切かを相談してみましょう。

正直に伝えることで、結果的に遠回りを防ぎやすくなります。

まとめ

不妊検査は、生理中だからといって受けられないわけではありません。

実際には、生理2〜5日目頃に行うことを前提とした検査も多く、生理中の受診がむしろ適しているケースもあります。

そもそも不妊検査や不妊治療は、生理周期に沿って段階的に進めていくのが一般的です。

予約日が生理と重なった場合でも、「失敗してしまった」と自己判断でキャンセルする必要はなく、医療機関に確認することで適切に対応してもらえます。

また、生理初期に受診できなかった場合でも、経過日数を正直に伝えることが大切です。正確な情報を共有することで、その周期でできる検査や、次のタイミングで行う検査を適切に判断してもらいやすくなるでしょう。

不妊検査は、治療を急かすものではなく、今の体の状態を知るための大切なステップです。

不安や迷いを一人で抱え込まず、気になる点は早めに相談しながら、無理のないペースで進めていきましょう。